ライフデザイン通信
水上ライフデザイン通信 04年9月号
賢い社長のマネー・ライフ
提供:水上会計FP専門会社泣宴Cフデザイン研究所
発行責任者:戸田正明
中小企業オーナー様を中心に個人資産管理はもとより、事業運営にも役立つマネーマネジメント・リスクマネジメント・リタイアメントプラン・事業承継・相続対策等の情報提供を行う総合金融情報通信です。経済激動の年を力強く、そして、賢く生き抜きましょう。
今月のコラム     ファイナンシャルプランナー 戸田正明
 ああーまたしても・・・。
 
 本当はそうではないとしてもどう考えてもそこに狙いがあるとしか思えないことが往々にしてある。もって廻った言い回しをするけれども、今度もまたという改正が行われようとしている。
 
 先般、新聞紙上に載った「退職所得控除の見直し」がそれである。経済・社会環境の変化をふまえ、正社員中心の長期継続雇用、年功序列賃金制度から非正規雇用者の活用や能力主義、・・・離職・転職等が珍しいことではなくなっている現状・・・。そうは言っても、適用開始年度の示す本音は「団塊の世代」対策ではなかろうか。
 
 年齢別人口統計(5歳階級)が示すとおり現在60才前の人口、2世代(50才から59才)の総人口は1,894万人とその前後の2世代をおよそ300万人上回っている。これからこの世代の全員が退職金を手にするということではないにしても、勤続40年2,200万円の退職金を貰ったとしても一切の税金はかからなかったものが、1,600万円までそのバーを下げられたのでは大変だ。
 
 仮に退職金を3,000万円貰ったとして今まで74万円の税金が160万円に2倍に増えたのではたまらない。2006年、戦後生まれ第一期生が60才を迎える年を適用開始年度にするなどというのはなんと皮肉なことか。これからますます「団塊の世代」をターゲットに様々な施策の改正がなされることは間違いない。取りやすいところから取るはいつの時代でも変わらぬ鉄則である。
今月の特集 @多様化する証券取引サービス
Aオリンピックのメダルと褒賞金
@多様化する証券取引サービス     板谷高明     
 8月31日より一部地域のあるコンビニで証券取引サービスが開始された。9月13日からはそのコンビニの全店舗約7,800店で、マルチメディア端末を使った株取引や個人向け国債が買えるサービスを展開する。その端末はコンサートや野球のチケット購入も可能でコンビニらしい多様なニーズに対応したものである。日興コーディアル証券の有村純一社長は30日の会見の席で「おにぎりやお茶を買うような気持ちで証券投資をしてほしい」と期待を込めた。証券取引の窓口は証券会社オンリーから銀行、保険会社、郵便局、インターネット等へと広がり今やコンビニでも買えるようになった。株式・国債は、ますます生活に身近なものとなり、もう「証券なんて知らない」では済まされない時代の到来である。


 そこで改めて投資信託についておさらいをしてみよう。


投資信託とは
 投資信託(一般的には「投信」、「ファンド」と呼ばれる)は、専門機関(投資信託会社など)が複数の投資家から資金を集め、これを一つの基金(ファンド)としてまとめて運用する仕組みの総称。運用は、公社債や株式などの有価証券や不動産などに分散投資され、その成果は投資額の割合に応じて投資家に還元される。ただし、運用成績が元本を割れても証券会社や投資信託会社が元本保証するものではない。ではなぜ、最近になり投資信託が注目されるようになったのだろうか?その理由として過去の投資信託と比べて、商品性が大幅に改善されたことや金融機関が一つの戦略商品として力を入れていることなどが挙げられる。


投資信託の特色


1)少額からでも手軽に投資
 個人で株式投資や債券に投資するにはある程度まとまった資金が必要になるが、投資信託は1万円という少額からでも手軽に始めることができる。


2)分散投資
 投資の基本は、資産をいくつかの商品に分けてリスクを分散させることである。投資信託は、株式、債券投資と違いリスクを分散するという考え方から生まれた金融商品である。


3)専門家が運用
 個人で株式や債券などの投資に必要な知識や技術を身につけるのは難しい。投資信託は投資家に代わって専門家が運用する。共同投資によるスケール・メリットが得られる。
Aオリンピックのメダルと褒賞金   町田 力
 メダルラッシュにわいたアテネオリンピックが終わりました。
 メダルを獲得した日本人選手には日本オリンピック委員会(JOC)より褒賞金が贈られます。
 報奨金は1個当たり金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円で,アテネ五輪のメダリストに贈られる報奨金の総額は1億5,600万円となります。
 個人最高額は競泳男子の北島康介選手の700万円。競技別では水泳(シンクロナイズドスイミング含む)が4,000万円、柔道が2,800万円、体操が2,200万円となっています。
 褒賞金の授与は1992年アルベールビル冬季五輪から始まりました。当初は一時所得として課税されたため、同年のバルセロナ五輪で競泳200m平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子選手は9万円の納税額が発生しました。
 このことが問題となり平成6年(1994年)租税特別措置法の改正が行われ、オリンピックの褒賞金は非課税扱いとなりました。
 税制も融通が利かないことばかりでは有りません。


税額を試算してみますと

岩崎恭子選手の税額計算(平成6年当時、中学生のため他に収入なしとする)
{300万円(褒賞金)−50万円(一時所得の特別控除額)}÷2−35万円(基礎控除)
×10%(税率)=9万円(納税額)


現在の税額計算
300万円(褒賞金) 全額非課税のため税額は有りません。


租税特別措置法
第2章所得税法の特例 第6節その他の特例
第41条の8
オリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会から交付される金品で財務大臣が指定するものについては、所得税を課さない。


所得税法
(一時所得)
第三十四条 一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。
3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。

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